オホーツクビールの醸造工程
オホーツクビールの美味しさは、厳選された原料とビール造りのプロであるマイスターの技から生まれます。
麦芽・ホップ・酵母にこだわり、一杯一杯を丁寧に醸造。ここでは、ビールがどのように造られ、店内でできたてを味わえるのかをご紹介します。

こだわりの原料
Premium Ingredients for Okhotsk Beer
オホーツクビールの美味しさは、厳選された原料から生まれます。
麦芽(モルト)
北海道産麦芽およびドイツ産麦芽を主に使用。麦芽はビールの味わいや香りを決める重要な要素であり、深みのある風味を生み出します。
ホップ
レギュラービールには、ドイツ産ハラタウやチェコ産ザーツといった伝統的なホップを使用しています。限定ビールではそれに加え、ニュージーランド産や米国産をはじめとする各国の高品質ホップを厳選して使用しています。
酵母
上面発酵・下面発酵の両方に対応した酵母を国内外から調達。発酵の種類によって、エールタイプやラガータイプのビールを造り分けます。

こだわりの製法
Traditional Techniques Behind Okhotsk Beer
オホーツクビールでは、すべてのレギュラービールに「デコクション(煮沸)法」を採用しています。現在、国内の多くの醸造所では2釜式の設備による「インフュージョン(昇温)法」が主流ですが、当社ではより手間のかかるデコクション法にこだわることで、深みと個性のある味わいを実現しています。
エール・ピルスナー・ヴァイツェンはシングルデコクション(煮沸1回)、マイルドスタウトはダブルデコクション(煮沸2回)で仕込んでおり、とくにマイルドスタウトは製法面から同業の方々にも高い評価をいただいています。
酵母は扱いが難しい「生酵母」のみを使用。国内の多くの醸造所が乾燥酵母を用いる中でも、当社では発酵由来の複雑な香りや、ヴァイツェン特有の酢酸イソアミルといった香気成分まで、しっかりと感じていただけるビールを追求しています。
ビールができるまでの流れ
The Brewing Process at a Glance
オホーツクビールがどのように造られるのか、全体の工程をひと目でご覧いただけます。

店内から見える3つの釜
Three Iconic Kettles in Our Brewery
オホーツクビールの醸造には、ドイツ・Schulz社製の伝統的な三釜仕込設備を使用しています。店内に設置された3つの釜は、ビール造りの象徴ともいえる存在です。
外観の美しい銅色の釜は装飾的な意匠であり、内部には衛生面に優れたステンレス素材を採用しています。
※ 現在、銅の直接使用は健康面での懸念から一部規制されており、FDA(アメリカ食品医薬品局)などでも使用が制限されています。
それでは、醸造工程をご覧ください。

※ 醸造工程図では、工程ごとの流れを分かりやすくするために5つの釜で表現していますが、実際の製造では、3基の釜が複数の工程を担っています。
醸造工程の解説

1. ハンマーミル
ビールの原料である麦芽を細かく砕き、糖化しやすい状態にします。

2. 仕込槽
粉砕した麦芽をお湯と混ぜ、50℃前後(たんぱく質分解)から65℃前後(糖化)まで段階的に温度を調整しながら、酵素の働きでデンプンを糖に変換します。
この糖が、ビールの甘みやアルコールの原料となります。

3. ろ過槽(ロイター)
糖化された麦汁を約75℃でろ過し、麦殻などの不溶性成分を取り除きます。クリアな麦汁だけを次の工程へと送り出します。

4. 仕込釜・煮沸釜/ワールプール
ろ過した麦汁を煮沸釜で100℃に加熱し、ホップを加えることでビール特有の香りと苦味を引き出します。煮沸によって殺菌とタンパク質の凝固が行われた後、麦汁はワールプールへ移され、遠心力を利用してホップ残渣や熱凝固物を分離します。

5. 冷却装置
発酵に適した温度まで急速に冷却し、酵母を加える準備をします。

6. 発酵タンク
発酵温度は約10~20℃(ビールの種類による)。酵母を加えることで、糖がアルコールと炭酸ガスに変化し、5~7日後に主発酵が終了。

7. 貯蔵タンク(熟成)
ビールのタイプによって3週間から3ヶ月熟成 させることで、炭酸ガスをビールにしっかり溶け込ませ、味をまろやかに整えます。

8. ろ過装置
オホーツクビールでは、珪藻土を使ったろ過により、酵母や不純物を取り除き、クリアで安定したビールに仕上げています。
酵母を残した「ろ過なしビール」もビアファクトリー限定で提供しています。

9. 樽詰め & 店内提供
できあがったビールを樽に詰め、店内で提供します。特に、ビアファクトリーでは仕込んだばかりの出来立てビールを楽しめるのが魅力です。
醸造タンクから注がれる新鮮なビールは、オホーツクビールならではの特別な体験を提供します。

10. 出荷(全国へ)
一部のビールは瓶や樽に詰められ、店舗やお客様のもとへ届けられます。出荷前には、洗浄・殺菌・充填を徹底し、品質を維持した状態でお届け。
オホーツクビールは、ビアファクトリー以外の店舗やオンライン販売を通じて、日本各地のビールファンにも楽しまれています。

エール【ろ過前】酵母が生きた、まろやかな一杯を飲み比べで
Unfiltered Ale, Only at Okhotsk Beer Factory
「エールろ過前」は、酵母が残った状態のまま味わえる、ビール本来の旨みが際立つ特別な「エール」です。
通常の「エール」は、ろ過によって酵母を取り除き、よりシャープでクリアな味わいに仕上げますが、「ろ過前」では、酵母由来のまろやかさや麦芽の香味、エステル香がしっかりと感じられます。
「エールろ過前」は風味の変化が早いため、できたてを味わっていただくのがいちばん。
だからこそ、ビアファクトリーで「ろ過前」と「ろ過後」を飲み比べて、その違いを体験してみてください。

マイスターからのメッセージ
Message from the Brewmaster
私たちが愛情を込めて造ったビールを、お客様が美味しそうに飲み、満足そうな表情を浮かべる瞬間。それが、何よりの喜びです。
オホーツクビールは、樽や瓶でも販売していますが、やはり最高の状態で味わうならビアファクトリーでの一杯が一番。醸造したての新鮮なビールを、ぜひここで体験してください。
北見を訪れる際は、お気軽にお立ち寄りください。心を込めたビールをご用意して、お待ちしております。